彼の理想の田園へ

日記と妄言、活動記録。

【感想】1月に読んだ本、観たアニメ、遊んだゲーム(2026.02.01)

目次:

1. はじめに

 これまでのあらすじ。いよいよ年の瀬という昨年12月26日、順当に2025年の仕事を納めて合計9日間の年末年始休暇に入るはずだった俺はなんやかんやあって30日まで働くことになり(ちなみに12月27日の時点でなぜか12連勤中でもあった)、当初の個人的目論見であった"穏やかに過ごす充実の9日間"は完全に崩壊した。

 そのような経緯があって純粋にむしゃくしゃした俺はある意味でスーサイド的に思考を振り切り、年が明けた翌2026年1月を"他のことはどうでもいいからとにかく今まで積んでいたものを摂取するインプット期間"と定めて今まで買ったはいいけど手をつけずに放置していた本やゲーム、俗に言うところの"積み本"や"積みゲー"などの消化に着手するのであった――

 

2. 読んだ本、観たアニメ、遊んだゲーム

 ここからはタイトルにある通り、2026年1月に読んだ本、観たアニメ、遊んだゲームを羅列してちょっとした感想を述べていくことにする。なお掲載順には特に深い意味は無い。単純に触れた日時順であることをご承知おきいただければと思う。

 

パラノマサイト FILE23 本所七不思議

www.jp.square-enix.com

 発売以後から非常に評価が高く『日本ゲーム大賞2023』では優秀賞を受賞した大人気ゲーム、であるとのこと。日頃あまり新作ゲーム情報にアンテナを張れていない俺はたまたま好きなゲーム実況者が動画にしているのを観てその存在を知った。

 高度なプレイスキルや瞬間的な判断を必要とせずまったりと遊ぶことができるため快適に意識を物語に没入させることができた。舞台は昭和後期の東京都墨田区。大企業や警視庁がストーリーに深く関わってくることからかっちり現実に即した内容かと思いきやその核心は"蘇りの秘術"や"七不思議"、"呪い"などのおぞましく浮世離れした要素であり、現実世界と交錯する系(そんな系があるかは知らんが)のホラーやオカルトが好みの俺にはよく刺さった。ちなみにミヲちゃんが一番好き。

 そんな風にしてプレイヤーの意識を高度な超現実の世界へ誘ったかと思えば物語の最後にはしっかりと現実に戻るための丁寧な手続きを施してくれたところが特に素晴らしく大変好ましかった。名作の条件とは受け手を置き去りにしないことではないかしら。"蘇りの秘術"など誰にとっても必要ない、必要ないんだ

 

さいはて駅、さいはて駅 [黄昏電鐵]

saihateeki.studio.site

 "愛憎ブロマンス探索ホラーADV"と銘打たれた話題作。鮮やかかつ暖かなビジュアルから繰り出される頭を抱えたくなるほど凄惨な愛憎模様と、もはや生きるか死ぬかしか存在していない精神的極地における激動の展開に感服させられた。プレイのきっかけは「えっ、なんかこのゲーム無料らしいじゃ~ん」などという軽いノリだったはずなのにどうして

 プレイ後、即座に有料DLCである『さいはて駅 [黄昏電鐵]』も購入。『さいはて駅』からシステムの色々な箇所が改良されていて各段に遊びやすくなっているほかストーリー中の随所の表現がパワーアップしており開発側の熱意が強く感じられた。

 主人公の二人は社会人とはいえかなり若い。現代の若者の悩みや苦しみ、自らの出自や育った環境の困難さにフォーカスした物語を解き明かしながら「やっぱりそういうのあるよなあ」「もしかしたらそういうこともあるのかもしれないなあ」などと素直に共感できたり意外に感じられたり…。総じてショッキングな展開が続く中、ある種しみじみと浸りながら楽しむことができた。

王女コクランと願いの悪魔Ⅱ

lbunko.kadokawa.co.jp

 ライトノベル『神様のいない日曜日』で知られる入江君人の別作品。『神ない』にドハマりしリアルタイムで買って読んでいた一方、こちらは『Ⅰ』『Ⅱ』ともに近年まで存在すら知らず後になってからなんだか申し訳ない気持ちで古本を購入した。

 重厚かつ壮大なファンタジー貴族社会が舞台でありながらその物語の核となるのはそれぞれキャラが立っていて魅力的な人物同士の間に重く横たわる現実的な関係性であり、著者特有の人と人との心理戦や直接的な問答の内容には強い読み応えを感じた。

 主人公二人の恋愛模様や社会を構成する各派閥の争いの行く末がどうなっていくのか非常に気になるところだが、残念ながら2015年6月に『Ⅱ』が発売されて以来、現在まで続編の情報はないようだ。完全に俺がちゃんと発売直後に買わなかったせいである。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

www.hayakawa-online.co.jp

 人類の大半がどこかで安易に使われ過ぎた雑なパロディタイトルを目にした経験がある一方でその元ネタを知る者は実はごくわずかであることでおなじみのSF小説の傑作。映画『ブレードランナー』の原作であることでも有名。今回ついにそのすべてを熟読したので今後は自信をもって『○○は✕✕の夢を見るか?』という擦られ過ぎたパロディタイトルを用いることができる。果たしてその機会が訪れるかどうかはわからないが。

 人間として当然備えている他の生物への親近感と電気動物(ヒト型を含む)への拭い切れない嫌悪感。多くの危機や苦悩を乗り越えた末にそれらの本質を真に理解したことで訪れた静かな一つのハッピーエンドには純粋に納得できたし感動もした。でもそんなことよりも本作を初めて読んでこの"夢"が睡眠中の体験ではなく願望の方の夢であるということを知って得た驚きの方が単純に大きかった。カスの感想。

 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 俺の考えは「ノー」である。"アンドロイド"が同族に近いともいえる電気動物への憧れを抱くことはないし、あれらは単に現在より先の可能性を"計算"しているに過ぎない。自らに近しいものに親近感を覚え己の将来を"希望"したとき、既に彼らは"アンドロイド"などではなくなっているのである。…ってマーサーがたぶん言ってました(責任逃れ)

ひぐらしのなく頃に煌

www.oyashirosama.com

 近年ではさまざまな公式チャンネルがYouTubeにアニメの本編映像を投稿してくれる動きがあるため色々なアニメを気軽に無料で観ることができる。その中の一作。『ひぐらし』シリーズのアニメは『礼』までしか観ていなかったのでこれを機に『煌』も観た。

 全4話のOVAなので当然と言えば当然だと思うがその内容はだいたい『ひぐらし』世界の話の本筋とは関係の無い茶番のような感じ。しかしながら本筋にて100年にも及ぶ梨花ちゃんの過酷な旅路があったことを踏まえれば、とてもじゃないが真面目には見ていられない地獄みたいなソウルブラザーもただ一昔前の美人的に麗しいだけのチョイ役鷹野さんも全部が全部ありがたいものである。

 ただし『夢現し編』だけは普通に感動したし『妖戦し編』は梨花ちゃんが特に可愛い回なので良い。完全オリジナルエピソードなのも嬉しかった。

壊れかた指南

books.bunshun.jp

 膨大な筒井康隆作品をこつこつと読み続けて割と長いが今回は『壊れかた指南』を読んだ。全30作の短篇にはそれぞれあまり他で見られないような刺激的な世界の一端が書き表わされており、一度読み始めるとしばらくの間は身じろぎすることもなく夢中になってどんどんページを進めてしまう。そんな魅力があった。

 男も女も老いも若きも、犬や猫や狐に狸だって辺りを見渡せば皆誰もがどこか壊れている。一見義理人情に厚かったり理知的だったりするのがよく見りゃ手の施しようもないほどイカレてなんかいた時のゾッとしようったらない。

 そんな中でいかにも「俺だけは気づいています」なんて振る舞いでどうにか頑張ってすましている俺自身も、傍から見ればどのように映っているのか考えるだけでも怖ろしい。だったら皆思い思いに壊れて好きに生きたほうが楽なのではないか――などと思わず考えてしまう魔力がある。個人的ベスト3は『稲荷の紋三郎』『犬の沈黙』『耽読者の家』。

斜陽

www.aozora.gr.jp

 他所で引用されるような有名な一節が所々に出てくることだけは知っていたが長らく本文を読んだことがなかったのでこの機に読んでみた。舞台は戦後の東京~伊豆でタイトル通り元華族の一家が次第に貧しくなっていく様子を描いている。

 母がヤバい、弟がヤバい、弟が師事している小説家がヤバいと次々と現れる社会不適合的な登場人物に目移りしていったその先で実は語り手である主人公の女が一番ヤバいという事実に気づいたときにはあまりの恐怖で泣いてしまわずにはおられなかった。敢えてあからさまな気違いを登場させてそれを読者に批判させ、以て溜飲を下げさせることによってその者の気分を良くさせてこれが良い小説であったと勘違いさせようとする狙いがあったのではないかとさえ思えてくる。というかむしろそうであってほしい。

 自身の生まれと世間のギャップに葛藤したり母の病死がとんでもなく堪えたりしたという弟の気持ちは痛々しいほど伝わってきたが、どうしても「でもお前めちゃめちゃ薬物やったり酒飲んだりして金無駄遣いしたやん」という感想が拭いきれずそのことから特に何か考えられることもなかった。

賭博堕天録カイジ

www.kodansha.co.jp

 昨年からちょいちょい読んでいる『カイジ』シリーズの第4章。なんとなく前作までと比べてキャラの作画が綺麗になっているような気がした。

 これまでの話で扱われてきたギャンブルは直感的でわかりやすいものであったため何ら抵抗はなかったが、今回ついに(変則ルール)麻雀がテーマになってしまったせいで大学生の頃に交友関係に乏しく麻雀に触れることがなかった俺は大いに戸惑い心が折れかけた。脳裏をよぎる・・・・・・嫌な予感・・・・・・! これ麻雀知らなきゃ面白くないんじゃ・・・・・・!

 しかし麻雀のルールがほとんどわからないながらも気づけばなんやかんや最後まで楽しく読み進めることができた。あと和也のキャラデザのわざとらしいまでの不細工さには目を見張るものがあった。なるほどこれが漫画家の力かと感心させられた。

神さまのいない日曜日 外伝

kakuyomu.jp

 先述した入江君人の代表作『神さまのいない日曜日』、その外伝(全13話)がずっと前から無料公開されている。いつだったか思い出せないくらい昔に2話くらいまで読んだ気がしていたが今回改めて最初から最後まで読んだ。

 本編を読んだのが大昔なので特に4巻以降の内容はおそろしくあやふやで覚えていることも覚えていないこともあったが、やっぱりこの世界の底知れないおぞましさや果てしない美しさに惹かれる自分の気持ちは歳をとっても変わらないのだなあと再確認した。個人的ベスト3は『虎と花』『死の誕生。』『波の夜』。

8番のりば

playism.com

 かつて大きく話題になり映画化もされた『8番出口』の続編。『8番出口』はゲーム実況動画でそのすべてを知ってしまったので自分で遊ぶことはなかったがこちらはまったく情報を入れていなかったため抵抗なく触れることができた。Steamで安くなっていた(※2026年1月現在)のがきっかけというのもある。

 全体を通して丁度いい難易度と丁度いいボリュームのいい感じのゲーム。シンプルに怖かったり理解不能の不気味さがあったりして個人的にはなかなか好みの雰囲気だった。異変に満ちた世界にあっては謎のおっさんにさえ親近感を覚えずにはいられない。これからは普段から見知らぬおっさんにも優しくしようとちょっとだけ思ったり思わなかったり。

 一つだけかなり粘ったがどうしても解けない謎があって最終的に攻略サイトに頼ってしまったこととこのゲームで人生で初めて3D酔いをして吐いてしまったことはクリアした後もずっと地味な敗北感として胸に刺さり続けている。

 

3. おわりに

 以上が俺が1月に読んだ本、観たアニメ、遊んだゲームである。こんなにまとめて色々なものを摂取した期間は本当に久し振りでとても充実した一か月だった。近年は長い文章を読む機会も減っていたのでもはや本を読む力を失っているんじゃないかと思っていたが実際はそんなことはなくて安心した。

 部屋にはまだ積んでいる本があるしやりたいゲームや観たいアニメもまだあるので、またどこかで自分ルールで期間を定めて集中的に味わうのも良いかと思った。