彼の理想の田園へ

日記と妄言、活動記録。

【MHWs】禁忌の萌芽 前編【第64話】

 禁足地調査隊にとって念願だった"白の孤影"の謎の解明。当初、既に絶滅したモンスターであるとみられていたその正体はかつて東の地に存在した大国の技術によって生み出された人造の竜だった。意図せずして暴走したその竜は大国の末裔が暮らす里や周辺地域に生息するモンスターを次々と襲撃。ついには調査隊ハンターの手によって討伐されるに至った――

 自分で書いていても「ほわぁ」という感嘆の声を漏らしてしまうほどの衝撃のスペクタクル巨編的あらすじなのだが、一応これがプロローグからずっと続いてきた『モンスターハンターワイルズ』の物語の核部分である。まさか数世紀にわたる壮大なスケールの話が待っているとは始める前はまったく想像していなかった。あらためて思い返してみてもかなり重厚な冒険だったな。ここまで成し遂げたらもうこれエンディングでいいだろ…。俺(主人公のこと)もよく頑張ったさ。

 しかしそんな"白の孤影"調査の過程で他にも諸々の謎やヤバい事実が芋づる式に判明していく。その中には"現行モンハン世界"の常識を根幹から覆すような禁忌に触れる事柄も含まれていた。物語が後半に差し掛かるにつれて次々と開示されていく新たな情報を耳に入れながら(竜都って何よ!)(竜乳って何よ!)(龍灯って何よ!)と心の中で叫びつつも、それらについて聞き直すタイミングを完全に失いよくわからんままとにかく目の前のモンスターを狩猟することで精いっぱいだった俺。職場で言うと完全に後の仕事に支障をきたすよろしくないムーブなのだが当時、事態はあまりにも差し迫っていてとても聞けるような雰囲気じゃなかったので許してほしい。あの頃の俺、どうか心配しないでくれ。今でもよくわかってないから(白目)

 もう150時間以上も『ワイルズ』をやっているにもかかわらず世界観の方の理解はそんなお粗末状態なもんだから、俺は守人の里シルドに立っている恵比寿辺りにありそうなオシャレな街灯的装置を見かける度にいつまで経っても「まさかあれ電気じゃねえよなという疑念を浮かべて冷や汗をかいてしまう。雑に言ってしまえば「別に電気だったら何なのか」という問題でもあるわけだが、頭の固い俺はなんだか"見てはいけないもの"が堂々と立っているような気がして未だに直視できていないのである(-、 ー ;)

 で、何の話をしようとしていたんだっけ。そうだそうだ、色々あったけど俺はもう調査隊任命のきっかけになっていた"白の孤影"の調査は終えたんだ。ヤツの正体は『護竜』と呼ばれる哀しき人造モンスターでしかも突然変異的に子孫を残すことができてその子供が原種返りまでしてアルシュベルドという絶滅モンスターになって…『ワイルズ』発売前のモンハンファンに伝えたら「妄想乙^^;」の一言であしらわれてしまうようなとんでもないこの事実を、西に帰ったら匿名で週刊誌に持ち込んで一儲けするんだ。つまりもはやこの俺が『禁足地』でやり残した仕事なんて、仕事なんてついにあと一つになってしまったわけか。

 振り返ればいくつもの出会いや発見、困難、達成があった俺の禁足地生活。上位アルシュベルドを討伐し下位ストーリーに続く二度目のエンディングのような雰囲気を味わい、この数日の俺は"なんとなく『ワイルズ』やり遂げた感"に包まれていた。しかし俺たちはその調査の中で他のあらゆる事象が吹っ飛ぶくらいの激ヤバ案件に、誇張抜きで禁足地全体に影響を及ぼす超ド級のある問題に気づいてしまった。それを片付けずして"任務達成"というわけにはいかないのである。

 その問題のキーワードは最初の方で出てきた『龍灯』、そしてゾ・シアというモンスター―― 出ましたゾ・シア。俺は気づいた。ゲームの敵キャラの名前は短い方が怖い。実際に怖いキャラクターだとしてももっと"ファイナリスティックストラディバリウス"くらい長い名前の方が安心感がある。俺だけかもしれない変な感覚だが何事もシンプルである方が逆に怖いのだ。ゾ・シアの場合、特に『ワイルズ』モンスターの命名の特徴である"・"の妙が出ている気がする。いや"ゾ"一文字って。日ごろまったく耳馴染みが無いからだろうか、ゾ・シアという名前からはレ・ダウやヌ・エグドラなどとも異なるそこはかとない不気味さを感じる。いや~ゾッとするわ(?)

 ゾ・シアとは下位ストーリーにて一度出会っていた。正真正銘、察しの悪い俺が見てもわかる『ワイルズ』のラスボスである。ヤツもまたアルシュベルドと同じく人工的に造られた竜で、いかにも"ラスボス"然とした巨体とおどろおどろしい外見、多種多様で強力な攻撃を持ち自身の再生能力まで持っているという「一応お伺いしたいのですが本当にそれで大丈夫でしょうか?」と訊きたくなる(?)ようなトンデモモンスターだ。

 俺もよくわかっていないところでの説明で恐縮だが、禁足地にはフィールド各域に広がりそれぞれ動植物の生態系を支えている『竜乳』という物質が存在する。各地で見られる竜乳はすべて元を辿ると『龍灯の社』にある龍灯という謎の構造物から無限(!?)に流れ出ているものらしい。その竜乳が結晶化したものを人間が拾ったり『竜都の跡形』の地面に溜まっているのを護竜モンスターたちが吸収したりしているわけだが、なんとその竜乳のエネルギーを龍灯に張りついて絶えず直吸いしているのがゾ・シアなのである。

 それだけ聞くとちょっとキショかわいいだけのモンスターに思えるが、何分そもそもの存在が謎なのとその振る舞いの破壊力がすごいのとで放置するわけにもいかないため最終的にはヤツのエネルギー源ともなっている龍灯のはたらきを止めて禁足地各域にも被害をもたらすかいつもの力技でゾ・シア自体を討伐するかという二択の状況になった。この辺りの演出がまるでハリウッドのSF映画みたいにとんでもなくカッコ良くて、既に若者を自称できないくらいの年齢を迎えた俺にして普通に感動してしまったほどである。「龍灯は止めない。道はもう一つある」シビれたね~ほんまカッコ良かった。

 そんなわけで既に下位にて一度討伐していたゾ・シア。なぜ今一度俺たちの目の前に姿を現したのかと言えば、(これは後にわかったことだが)ヤツは無性生殖にも似た自己増殖によって個体を増やしているからとのことらしい。マジか…まったく何から何までぶっ飛んでんな。いったい過去の人間は何の目的でこんな化け物を造り出したというのか。俺は歴史を調べるのが好きなのでぜひこんなイカれた所業をやらかしたはるか1000年の昔にも思いを馳せたいところだが、今はとにかく目の前の脅威を取り除かなければいけない。

 次回、上位ゾ・シア戦。困難を極めた最後の戦いへ続く――