彼の理想の田園へ

日記と妄言、活動記録。

【MHWs】『禁足地』へと旅立つ前の最後の手記【第0話】

 2025年2月28日午前0時――俺はふと自分の周りが静かなことが気にかかった。深夜の部屋に一人きり。いつもならそろそろ明日に備えて寝る時間であって静かなことなど当たり前である。そんな静寂が今日だけは俺を焦らせた。

 『モンスターハンターワイルズ』(以下『ワイルズ』)、まさにその発売日を迎えた直後の俺は妙に緊張して何も手につかなかった。いや違う。実を言うとその前日、27日からどこかふわふわとした期待と不安が入り混じる気持ちで一日を過ごしていた。

 どう考えてもビッグタイトル。事前のあらゆる情報発信からとんでもないゲームであることをまざまざと見せつけられた。大き過ぎる。それゆえに頭をよぎる。俺には思う存分『ワイルズ』を楽しむだけの体力があるだろうか。すべてを受け止めるだけの気力を持ち合わせているだろうか。ゲームがどうというよりむしろ自分の向き合い方に対する不安が勝った。

 その不安を少しでも鎮めようと冷たく静かな部屋でこの文章を書いている。動画も観ず、SNSも開かず。今は俺以外に誰もいない。こうしている間にも既に0時ジャストに発売のPS5版、Xbox Series版を始めているハンターが世界中にいるのだろう。既にインターネット上には鉄砲水のように瞬発力と力強さを持った情報が氾濫しているのだろう。きっと今世界が静かに思っているのは俺だけだ。

 俺が買ったのは28日14時開始のSteam版。事前に何度か実施されたベータテスト版でも実際のプレイはせずキャラクタークリエイトだけをやるに留めていた俺は全世界のハンターと比べてとっくに後れを取っている。今さら発売日に14時間遅れたところでまったく大差は無いのだが、それでも少しは「もうみんなとっくにあんなことやこんなことをやってるんだろうな」などと思わずにはいられない。その度に部屋の何もない中空を見つめながら「自分は自分、自分は自分」と念じて平静を取り戻そうと頑張ってきた。誰と比べるもんでもない。こういうのはマイペースに行くべきなんだ!(自己洗脳) ある意味こんな心の準備ができていないもやもやした状態で押し流されるように始めずに済んで良かったかも。

 むしろ14時開始というのはこれからしっかり眠ってお昼ご飯なんかも食べちゃったりして、元気な状態で始められると考えればなんとちょうどいい時間だとも思えた。そう、これは運命。最高の巡り合わせ。すべての環境に感謝。とか言ってどうしようもなくそわそわした気持ちを紛らすために寝ずにこれを書いてるわけなんだけど。

 全然ゲームの話をしていなかった。『ワイルズ』での俺(主人公のこと)はハンターズギルドが未だ足を踏み入れていない『禁足地』と呼ばれる地域に派遣されることになっているらしい。そんなところに素人同然の俺が行って大丈夫なのかという疑問はあるがこれもひとつのチャンスの形なのだろう。「世界を冒険するにはあまりにも遅く、宇宙を冒険するにはあまりにも早い」と言われた2025年の俺たちにこんなロマン溢れる冒険を提供してくれてありがとう。

 今後も『ワイルズ』に関する日記でできるだけまめにブログを更新していきたい。狩りは不安だけど手紙なら書ける。それが届いたら無事に禁足地に着いたんだと思ってほしい。と言いつつこれが最後の通信にならなければいいがなんてね(笑)